教室掃除が終わって帰ろうとするサスケに、同じクラスで当番も同じのキバが話し掛けてきた。
「サスケ、悪いけどこれ、サイの奴に届けてやってくんねぇ?」
そう言って手渡されたのは、一本のボールペン。
V 初恋の日。
「いやぁ、さっきちょっと借りてたんだけどさぁ、アイツ、先生に呼ばれてどっか行っちゃたし俺も部活があるk・・」
「借りたものは自分で返すのが礼儀だ。」
ズバッと返し、さっさと立ち去ろうとするサスケだったが、キバもなかなか引き下がらない。
「なぁなぁ頼むよぉ〜、マネージャーやってくれてるヒナタって子がさ、すっげー可愛くてさぁ・・・。」
「うっせーな!そんな理由で俺の放課後無駄にしたくねぇーんだよ!!」
怒鳴りつけ、黙らせようとしたサスケだが・・・。
「・・・でもお前、今この時間帰ったほうが無駄になるんじゃね―の?」
キバに言われて、ハッと気がつく。
昨日の件でサスケが自分達を『ウザがっている』のが分かった女子達は今朝からこの放課後まで近寄るのはよしていたのだが、下校時こそは!と、意気込んでいるらしくもう玄関には沢山の女子達が、今か今かとサスケの姿が見えるのを待ち構えているのだ。
今ここで帰ろうとすれば、自分の放課後がどうなることか。
「・・・・貸しだからな。」
「やりぃっ♪いやぁーお前に頼んで正解だったぜ〜」
畜生っ!と、上機嫌で走っていったキバの背中に悪態を付きながらも、とりあえず時間を潰さなくてはと、ゆっくりサイを探しに行くことにした。
「・・・失礼しました。」
ガラガラと職員室の扉を閉め、溜息を付く。
さっきサイと話をしていたという先生をここで発見したが、サイの姿はそこにはなかった。
だとしたら、昨日の・・・・。
たしか、サイがちょっとだが使わせてもらっていると言っていた、あの美術室。
もしかしたらそこで絵を描いてるんじゃないだろうか。
ここに来る途中、玄関を通ったのだがどうやらもう諦めたのか、サスケを待つ女子達は居なくなっていた。
それなら、さっさと済ませるか・・。
昨日は迷ったが、帰りにサイと来た道はちゃんと記憶してある。
すこし急ぎ足で美術室へ向かった。
―ここにも居ないのか・・・?―
折角迷わないでちゃんとたどり着けたのに、サイの姿は居ると思った美術室にも無かった。
・・・さっき、玄関通った時に靴確認すれば良かったな。
とにかく、居ないのなら此処に居たってしょうがない。
サスケは扉を閉めようとした。・・・・が。
奥の、サイが描いた絵の中の、昨日布が被さっていた作品が、急に気になってきた。
『人が隠そうとしてるものを勝手に見ては駄目よ。』
幼い頃、兄の部屋にあった、かつてお菓子が入っていた缶。
この中身がどうしても知りたくて兄の留守中、こっそり侵入して開けてみようとしたところを母に見つかって叱られたことを思い出した。
(後にその缶に入っていたのが兄貴宛てのたくさんのラブレターだったと知って、色々な意味でガッカリした)
それ以来、ずっと母の言いつけを守ってきたサスケだったのだが・・・
―何故、こんなに興味が沸くのだろう―
しかし、見てしまえば、例えサイにばれなかったとしてもかなりの罪悪感が残るだろう。
でも、観たいという気持ちは強まるばかりで。
―観たら、すぐにまた元通り布を被せれば良い話だ。
結局、好奇心に負けてしまった。
そうと決めればさっさとやらなくては。
勢いよく、バサッと布を捲ると・・・
青空と沢山の向日葵と、少年が一人描いてあった。
青空と同じ、青く美しい瞳と、向日葵のような鮮やかな黄色の髪色。
そして、太陽のような明るい笑顔の少年が。
しばらく、サスケはその場から動けなかった。
胸が苦しい。
顔が熱い。
一体、なんなんだ・・・・・。
夕焼けが照らす教室の中で、サスケは初めての恋をした。
※やっとナルト(絵ですけど)出せました;
次回はサクラちゃんです^^