□桜会別宴
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屋上へ急ぐ足音の後ろに、生徒たちの笑い声が響く。少し息切れた呼吸に、高鳴る心臓。

「ウタカタ先生!!」

扉を開けると同時に呼ばれた名前に、先生はゆっくりとこちらを向く。滅多に着ないスーツを着くずして、やる気のなさそうな表情はいつも通り。

「また葛城かよ」

「もう、探したんですよ!」

「やっと堅っ苦しい場所から解放されたんだ。自由にさせてくれ」

そう言って大きな欠伸をすると、先生はまた外を向いてしまった。

「先生、お話があるんですけど」

「なんだ」

「私、今日この学校を卒業しました」

暖かい風が頬をなぞった。少しこちらを見た先生と目を合わせて、ずっと言いたかった言葉を言う。


「先生、私と付き合ってください」


「………」

長い沈黙。変わらない先生の表情に、鼓動は止みそうにない。お願い、今度こそ。

「先生、言ってましたよね。生徒とは付き合えないって」

「ああ」

「だったら、もう私は生徒じゃないんだから」

「それでも、まだガキだな」

薄笑いと共に放たれた台詞に思考が止まる。やっと卒業できたのに、やっと対等になれたと思ったのに。

「まだ……ダメなんですか…?」

「葛城には他にやることがあるだろう。大学はどうした?恋だの愛だの言う前に、目先の目的を済ませるんだな」

「っ…でも!」

言い返そうにもいい言葉が見つからない。遠くで楽しそうな声が聞こえた。今日は卒業式。ウタカタ先生と会える、最後の日。

「…じゃあ、これだけ。…最後にこれだけお願いします」

「なんだ?」

「…私のこと、名前で呼んでください」

諦めるなんてできない。どうしても叶わないというのなら、ひとつくらいは叶えてくれたっていいでしょう?

「先生、」

何も言わずに背を向けた先生に、いよいよ涙が零れてしまいそうだ。せめて最後の先生の姿を焼き付けておこうと、顔をあげる。


「ホタル」

「……え?」

「大学卒業したら、そん時はまた考えてやるよ」

目に焼き付いたのは、振り返って意地悪気に笑った先生の顔。
その言葉の意味に気づいて先生を追いかけるのは、もうちょっと後の話。










桜会別宴
(別れの時、咲きゆく花弁)







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hotaru*様!またまた素敵小説どうもありがとうございますっ
私がサイトで勝手に盛り上がってた学パロウタホに便乗して下さりましたVv
ちょっと余裕のあるウタカタさんがカッコ良いです。
ホタルちゃんも一生懸命で可愛い>w<
お礼にまたまた漫画化させていただきました^^貰ってやってください。
アニナルでは今週ついにラストでドキドキですね!ウタホに幸あれ!!
本当にどうもありがとうございましたv
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と、いうわけで下はお礼漫画です↓↓



















一部だけ漫画にするって、やっぱり難しいですね・・。上手く伝わらない。

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